要請書「ゲノム編集食品の表示に関する委員会審議の改善を求めます」

2019日消連第4号
2019年6月26日

消費者委員会委員長 高巖様
食品表示部会部会長 受田浩之様

特定非営利活動法人日本消費者連盟
共同代表 天笠啓祐
共同代表 大野和興
遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン
代表 天笠啓祐

ゲノム編集食品の表示に関する委員会審議の改善を求めます

 貴委員会食品表示部会は、わずか2回の審議で、第54回部会で厚生労働省報告書の説明を受け、第55回部会では委員の意見を一通り聞いたものの、報告書をまとめることもなく終わりました。私たちは貴委員会が消費者から負託された責務を十分に果たしていないことに遺憾の意を表明し、改善を求めます。

部会での消費者庁からの説明は消費者に表示を求める声があることには触れつつも、表示制度の実行可能性と表示違反の食品の検証可能性を強調したもので、それを受けて、委員の多くは表示が難しいとの意見・所感を述べました。

貴委員会は独立した第三者機関として、消費者の利益を擁護して、関係省庁に意見を表明する立場にあります。厚生労働省がゲノム編集食品の届出を義務付けなかったことが表示を困難にしているのであれば、表示を可能とするために厚生労働省に届出義務付けの再検討を要請すべきです。

このままでは、貴委員会が結論先にありきの審議を行なっているとの誹りを免れません。食品を選択することは消費者の権利であるにも関わらず、このままでは消費者は食品を選択することができません。部会ではゲノム編集食品が安全であることを周知するようにとの意見も出されていましたが、問題点を指摘する専門家もいます。貴委員会が設置の初心に立ち返り、消費者の利益を最優先に審議をされることを強く要望し、以下二点について要請します。

1、厚生労働省に対し、ゲノム編集食品の届出義務付けをするよう、再検討を要請すること。

2、改めてゲノム編集食品の表示義務付けを消費者庁に答申すること。

以上