GMOフリーゾーン(遺伝子組み換え作物拒否地域)運動のすすめ

 

1.GMOフリーゾーン運動とは?

GMOフリーゾーンとは、遺伝子組み換え作物が栽培されていない地域のことです。欧州ではGMOフリーゾーンが拡大し、EU加盟各国内で遺伝子組み換え作物の栽培ができない地域が増えています。
GMO(Genetically Modified Organism)とは、遺伝子組み換え生命体を意味します。現在は主に、遺伝子組み換え作物を指しますが、本来は家畜など他の生物も含めます。フリーゾーンとは、それが「存在しない」地域を意味します。「フリー」というと、勝手に栽培できる地域と受け取られがちですが、逆です。

 

2.だれが宣言できるの?

遺伝子組み換え作物を栽培したり、取り扱ったり、食べたりするのがいやな人は、誰でも宣言できます。GMOフリーゾーン運動は、農家に限定せず、消費者も食品関連企業や流通業界の人も参加できる取り組みです。
GM作物を作らない農家
GM食品を作らない食品業者
GM食品を売らない流通業者
GM食品を買わない消費者
など、誰もが参加できます。農家以外の方はGMOを拒否し、GMOフリーゾーンを守るサポーターとしての役割が期待されます。

 

3.どうすればいいの?

宣言すると同時に、
①GMOフリーゾーン宣言の文書に署名し、キャンペーン事務局に送り登録する。
②圃場や玄関などに看板を立てる。
③周囲の人に参加を呼びかけ広げていく。
以上の3つが、宣言に伴う基本的な行動です。
宣言文は以下にあります。

 

4.目標

草の根でGMOフリーゾーンを広げ、日本ではGM作物が栽培できない状況を作り出していきたいと考えています。
当面は農家の圃場、市民農園、家庭菜園でGMOフリーゾーンの看板を増やすこと、そこでの参加者拡大を目指していきます。

また、自治体にも働きかけて、北海道で作られた「遺伝子組み換え作物栽培規制条例」のような規制を各地で広めていくことも、大事なことです。

 

「GMOフリーゾーン宣言」

1.私は、自らが管理する地域で遺伝子組み換え作物を栽培しないことを宣言します。
あるいは、私は、自らが管理する地域で遺伝子組み換え食品を取り扱わないことを宣言します。

2.私は、自らの意志を示すために看板を掲げます。

3.私は、種苗業者に対して種子や苗が遺伝子組み換え品種によって汚染されていないよう求めます。
あるいは、私は、食品を扱う人たちに遺伝子組み換え原料を使用しないよう求めます。

4.私は、周囲の人たちにGMOフリーゾーンに参加するように働きかけます。

5.私は、遺伝子組み換え作物栽培者に対して、私が管理する地域を遺伝子組み換え品種によって汚染しないよう求めます。
あるいは、私は、遺伝子組み換え作物を扱う人たちに、私が作ったり食べたりする食品を遺伝子組み換え原料で汚染しないよう求めます。

6.私は、GMOフリーゾーンを支持し、広めるように周囲に働きかけます。

 

GMOフリーゾーン宣言票(農地・牧場・森林)印刷用(PDFファイル)
GMOフリーゾーンサポーター宣言票(個人)印刷用(PDFファイル)
GMOフリーゾーンサポーター宣言票(事業者)印刷用(PDFファイル)

PDFファイルをご覧いただくには、Adobe Reader(またはAcrobatReader)が必要です。

<問合せ及び送付先>
遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン事務局
tel:03-5155-4756  fax:03-5155-4767


GMOフリーを宣言した生産者の農地は全国で103,469ha(2020年3月現在)になっています。

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GMOフリーゾーン運動のはじまり

GMOフリーゾーン(遺伝子組み換え作物を拒否する地域)運動は、スローフード発祥の地として有名なイタリア・トスカーナ地方のワイン農家によって1999年に始まりました。その後、2002年に環境団体「地球の友」がイギリスでキャンペーンを立ち上げたのをきっかけにヨーロッパだけでなく、北米やアジア、オセアニア地域にも拡大し、今や世界中にGMOフリーゾーンが誕生しています。

ヨーロッパでは、イタリアで全土の約8割、フランスで1000を超える自治体、オーストリアやポーランドで全州政府、ギリシャで地方政府すべてがGMOフリーゾーン宣言行うなど、フリーゾーンは拡大の一途をたどっています。

日本のGMOフリーゾーン運動

日本でGMOフリーゾーン運動が本格的にスタートしたのは2005年。農薬空中散布に反対し、環境に配慮したコメ作りを行っていた滋賀県高島市の農家が同年1月、圃場に畳3畳大の看板を立て、GMOフリーゾーン宣言したのが始まりです。
翌2006年3月に第1回GMOフリーゾーン全国交流集会を高島市で開催した後、ほぼ1年に1度のペースで全国集会を開き、運動の拡大をはかっています。

自治体による宣言が主流の欧米と異なり、日本のGMOフリーゾーン宣言は農家や消費者が個々に行っているため、面積拡大のスピードは決して速くありません。しかし、市民が自主的に行動し、草の根で進める、この運動の意義はとても大きいと言えます。

「遺伝子組み換え作物は植えない、売らない、食べない」ことを宣言するGMOフリーゾーン運動は、多様な種子を多様な農法で営む農業を守り、自然と共生する人間の暮らしを守る運動です。それは、いのちを守り育む人たちの連帯運動と言い換えることもできます。

先祖から受け継いだ暮らしと自然を守り、それを未来の子どもたちに引き継ぐためのGMOフリーゾーン運動は今後ますます重要になっていきます。